金沢大学 超然プロジェクト×先魁プロジェクト×自己超克プロジェクト

古代人の生体分子情報から現代人を再評価する新しいライフサイエンス研究領域の拠点形成

プロジェクト代表者 
覚張 隆史
所属組織・役職等 
古代文明文化資源学研究所・助教
研究分野 
文化財科学・博物館学、人文・社会系
パレオゲノミクス、古代人、環境、考古学
Paleogenomics, Ancient humans, Environment, Archaeology

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■概要■

過去の生物遺体からゲノム情報を抽出・復元し、新しい生物学的な知見を「発掘する」研究領域を「パレオゲノミクス」と呼ぶ。パレオゲノミクスは現生試料を取り扱うこれまでの分子生物学とは異なり、生体分子情報に時間軸を加えて研究を展開する新しい学問分野である。これまで、人類の起源や系統は、現代の生物情報に基づいて評価されてきたが、間接的な遺伝学的データと分子系統学の理論に基づく、いわば「推定」にとどまっていた。しかし、パレオゲノミクスは、過去に生合成された古代DNA分子を物質として捕獲し、古代人のゲノムデータを直接取得することで、人類の起源と系統関係の「証明」を可能にした。その成果は、これまで数多に提示されてきた従来の仮説を証明し、それと同時に仮説を覆してきた。パレオゲノミクスに限らず、古代分子を「発掘する」学問領域は多くの破壊的発見を生み出すポテンシャルを有しているものの、アジアにおける本領域の研究拠点や国際ネットワークの構築は進んでいないのが現状である。そこで本プロジェクトでは、これまで大きな成果を上げてきたパレオゲノミクスを基軸にした、「古代分子を発掘・資源化・活用する新しいライフサイエンスの研究領域(Paleo Rebirth(パレオ・リバース))」の拠点形成を目指す

 

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