金沢大学 超然プロジェクト×先魁プロジェクト×自己超克プロジェクト

高等哺乳動物を用いた脳ダイナミクスの先導的研究拠点の形成

プロジェクト代表者 
河﨑 洋志
所属・役職 
医薬保健研究域 医学系 教授
研究分野 
Neurosciences(神経科学)
脳神経系、ダイナミクス、発生・発達、疾患病態、高等哺乳動物
Brain, Dynamics, Development, Disease, Higher mammal

 

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■ 概要 ■
人間的かつ健全な社会生活を営むためには、脳神経系が重要であることは論を俟ちません。先天異常、発達障害や神経変性疾患は、患者本人の社会生活に多大な支障を来すのみならず、介護や医療費の問題にも直結します。このように脳神経系の健全な発達およびその異常による疾患病態の解明は最重要研究課題です。本研究拠点では、マウスを用いた脳ダイナミクス研究の蓄積、フェレット脳解析技術、ヒト脳機能解読や遺伝子多型解析などを有機的に融合させ、医学系、保健学系、生命理工学系、子どものこころの発達研究センターなど従来の組織の枠組みを超えて、拠点形成に必要な金沢大学の研究力を結集することにより、高等哺乳動物を用いた脳ダイナミクスの先導的研究拠点を形成します。本研究拠点は臨床医学、脳神経科学、創薬科学など様々な発展性があり、大きな社会的インパクトがあります。

 

■ 特色と優位性 ■
本研究拠点では,1)高等哺乳動物を用いた脳神経系の統合的研究拠点を形成し、2)マウス、フェレット、ヒトの研究を一体化して脳ダイナミクスの制御機構とその異常疾患病態を明らかにすることが特徴です。

 

1)高等哺乳動物フェレットを用いた統合的脳研究拠点
現在、脳神経系の分子遺伝学的研究にはマウスが主に用いられています。しかし、マウスの脳はヒトの脳と比較して未発達であり様々な重要な脳構造を持っていません。また脳神経疾患モデルマウスも多く利用されていますが、ヒト疾患で見られる所見が再現できないケースも多く、マウスを用いた脳研究には限界があると考えられています。従ってマウスとヒトをつなぐ高等哺乳動物を用いた脳研究が喫緊の重要課題となっています。本研究拠点では独自のフェレット遺伝子操作技術の優位性を最大限に生かし、さらにゲノム解析、イメージング、動物行動解析および脳機能解析などのマウスやヒトで用いられている様々な基盤研究技術を結集し、次世代を担う高等哺乳動物の統合的研究拠点を構築します。

 

2)マウス、フェレットとヒトを組み合わせた脳ダイナミクスとその異常疾患病態の解明
脳神経系は柔軟に変化するダイナミクスを持つ点が最大の特徴と言えます。また、脳ダイナミクスの破綻により様々な疾患が生じることからも脳ダイナミクスの制御機構の解明は極めて重要です。そこで本研究拠点では、これまで個々の研究室で個別に行われていたマウスを用いた脳ダイナミクス研究の蓄積、フェレット脳解析技術、ヒト脳機能解読や遺伝子多型解析などの優位性を有機的に融合させ、高等哺乳動物を用いた脳ダイナミクスおよびその異常による疾患病態の先導的研究拠点を形成します。

 

■ 将来構想 ■
マウス、フェレットとヒトを組み合わせた独自の研究技術の蓄積、研究室間連携と情報共有、研究力向上に向けた若手育成、国際ネットワークの構築を行うことにより本研究拠点の長期的発展を目指します。これらの活動を通じて、金沢オリジナルな研究成果を世界へ発信していきます。このような研究に興味のある学部学生、大学院生や研究員の参加を歓迎しています。見学も歓迎しますので、興味のある人は気軽に河崎(kawasaki-labo@umin.ac.jp)までご連絡ください。

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